NO.6 (2000.5.19)   発行:愛知国民春闘共闘委員会  発行責任者:見崎徳弘


 回答引き出し=161組合(全体の2/3)

妥結も123組合、過半数に

 愛知春闘共闘事務局は、今回、5月半ばまでの仲間の「賃上げ回答状況」を調査しましたが、それによると、前回の調査時(4月24日)に比べ「回答引き出し組合」が127→161組合(50%→66%)に増えた中、「妥結組合」が48→123組合(19%→50%)へ急速に増え、過半数に達したのが特徴です。

 ただ、その実態を見ると、@「回答上積み」に奮闘していたJMIUや新聞労連、全国一般、生協労連などが5月連休あけ段階で、若干の上積み・横這い状況で収束に入ったこと、A中小企業泣かせの「規制緩和」やダンピング競争で経営が厳しくなっている建設・交運関係(建交労)や全港湾関係で出そろってきた回答の大半が1,000円〜2,000円と超低額にとどまっていること、Bなかには「賃下げ」や「合理化」提案を押し返すのがやっと、「賃上げ0」で妥結を余儀なくされた仲間も多く、「ゼロ回答」での妥結組合が15組合にものぼっていることなど、厳しさが目立ちます。

 先回集計で5,142円だった回答の単純平均が今回4,432円(2.13%)へ700円以上も下がったのはそのためです。<別表>で明らかなように、産業別・企業規模別の落差の大きさが目につきます(ただ愛知春闘共闘の場合、昨99春闘の最終集約では「登録245組合中204組合に回答、単純平均=4,172円、2.17%」=98年比で△1,535円、△0.43%となっており、それに比べれば健闘とも言えます)。

中央春闘共闘・連合・日経連発表 賃上げ集計

 

 ●中央春闘共闘、集計(4/27現在)

・回答=539/登録982組合(54.9%)、妥結=182組合(18.5%)+α

・回答の単純平均=6,680円(2.22%)、加重平均=7,077円(2.25%)

 ●連合集計(5/15現在)

・妥結792組合

 単純平均=5,071円(1.82%)、加重平均=6,068円(1.95%)

 ●連合愛知集計(4/4現在)

・妥結113組合

 単純平均5,353円(昨年5,701円)、加重=6,236円(同6,421円)

 ●日経連調べ(4/28現在)

・大手企業201社。平均6,400円(1.97%)。昨年比△479円(△0.17%)

・中小企業245社。平均4,647円(1.75%)。昨年比△248円(△0.11%)

※ 中小では要求提出が51%、回答は3割強にとどまっているのが実態。

 


半数近い仲間がなお闘争継続中

一時金闘争、人勧闘争も始まる

 回答が出ていない組合、まだ妥結に至らない組合は、「経営困難で回答が出ない」「こんな低額では妥結できない」などに加え、「春闘は新学期セールが終わってから」という大学生協や、「本格交渉は5月以降」という私学関係など、さまざまな事情があります。しかし、すでに5月後半。「回答引き出し、上積み」への交渉続行とともに、今後は一時金を中心とする「夏季闘争」とあわせて闘っていく必要があります。「名古屋の調整手当切り下げ」を見送らせた官公労の仲間も、今後は8月の人事院勧告に向けた要求闘争を強める予定です。


 リストラ関連法の総仕上げ

商法改正(会社分割)法案

 衆議院を通過!

労働契約承継法案

「気がついたら別会社の社員」?民法625条の「転籍は本人同意が必要」も反古になる!

森自公保内閣の悪政許さず、UEなみの「解雇規制・労働者保護法」を!

<財界本位・労働者泣かせの悪政に「総選挙勝利」でピリオドを!>

 2000年春闘最大の制度政策要求、「身勝手なリストラ・首切り反対」「解雇規制・労働者保護法」制定も重要な局面を迎えています。

 財界・大企業のリストラ・首切りを後押しする「リストラ関連法」があいついで国会を通されるなか、EU並みの「解雇規制・労働者保護法」はすべての労働団体の一致した要求ですが、政府は労働者の願いに背を向け、「リストラ関連法の総仕上げ」としての商法改正(=会社分割法)・労働契約承継法の成立を急いでいます。

 これについて、当初は共産党や社民党とともに反対していた民主党が「政府案がそのまま通るよりは」として自民党との共同修正に応じたため、賛成多数で衆議院を通過していますが、その内容を見ると、「労働者との事前協議」などの修正も何ら歯止めにならないのが実態で、連合も「遺憾」の意を表明しています。

 参議院段階の論議で問題点を浮き彫りにし政府案を廃案にすること、私たちの願う「解雇規制・労働者保護法」制定へ世論を広げること、近づく解散・総選挙で悪政推進勢力に断固たる審判を下すことが求められます。


夏季闘争と総選挙闘争(6/25投票)

全力をあげよう!

 こうした状況のなか、全労連は評議員会で、夏季一時金、最低賃金制、公務員の調整手当改悪阻止、人事院勧告などを中心とする「夏季闘争」について、当面する悪法阻止のたたかいや総選挙闘争と結合してたたかう方針を決め、6月7日を「第1次全国統一行動日」と設定しました。そして、この6月7日に当該単産と首都圏を中心とする中央行動を計画し、「公務員労働者の賃金改善」や「解雇規制・労働者保護法実現」、「全国一律最低賃金制」などを要求するデモンストレーションの場にすること、それらを通じて「総選挙勝利」へのステップともすること、など企画しています。

 愛知でもこの方針に呼応し、6月13日公示・25日投票の「総選挙」勝利もにらんで、夏季闘争・総選挙闘争勝利へ、力を集中する必要があります。働く者の雇用と権利、労働条件を守るために、全組合員に訴えてみんなで頑張りましょう。


組合別回答・妥結一覧表NO.6(2000.5.17)

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