NO.7 (2000.6.14)   発行:愛知国民春闘共闘委員会  発行責任者:見崎徳弘


 回答引き出し=177組合(72.5%)

妥結は142組合、約8割に

 愛知春闘共闘事務局は、前回調査時(5/17)からほぼ1ヶ月を経た6月12日時点で改めて賃上げ回答状況を集約しましたが、登録244組合中、「回答引き出し」が161→177組合(66→72%)とようやく7割を超えました。うち「妥結」は142組合=回答引き出し組合の約8割で、大半は収束の方向です。

 ただ一方で、建交労の34/93組合、全国一般9/28組合、生協労連7/12組合など「未回答」もかなり残っています。うち生協の7組合は「賃上げ交渉は新学期セールが済んでから」という大学生協の労組で毎年のことですが、建交労や全国一般の「未回答組合」の場合は、様々な事情から経営困難が深刻で回答が出ない、賃下げや人減らし「合理化」の逆提案を押し返すのがやっとという組合も多く、「ゼロ回答」での妥結が16組合という実態とともに、2000年春闘の厳しさを如実に示しています。

単純平均は史上最低4,301円だが、資本の「逆攻勢」はね返しての到達点

新組合の仲間も健闘

<賃上げ・ベスト10>

 なお、この段階での回答の単純平均は建交労の2,108円、全港湾の1,900円、検数労連1,470円などの低額回答が響いて、全体としては4,301円(2.08%)と過去最悪。産別・組合ごとの格差も歴然です(産別集計一覧表参照)。

 しかしこの単純平均も、賃下げや人減らし「合理化」など資本の「逆攻勢」を押し返しての仲間の奮闘のたまもの。「賃上げベスト10」の中に、新たに組合を結成して初春闘をたたかった安城学園関連労組や法研中部労組が入っているのも励まされるニュースです。

 未解決の組合は引き続き頑張りましょう。

@東洋経済(出版労連) 20,850円
A安城学園関連労組(全国一般) 20,000円
B法研中部(出版労連) 15,382円
C電通(広告労協) 14,800円
D朝日新聞(新聞労連) 12,771円
E日本IBM(JMIU) 12,300円
F銭高組・名古屋(建交労) 11,688円
G全音楽譜(出版労連) 11,421円
H川本製作所(JMIU) 11,190円
I名古屋放送(民放労連) 11,122円
一時金は、ほぼ昨年並み?

夏季闘争も続々決着

 愛知春闘共闘の2000年賃上げ交渉は、今なお全体の3割近くが「未回答」。「妥結」できずになお交渉中の組合を含めれば43%・106組合が闘争継続中ですが、5月末から6月にかけて多くの組合が「夏季一時金闘争」に入っており、その回答・妥結のニュースもあわせて飛びこんできています。

 事務局に寄せられた結果はこの『回答情報』の「その他」の欄に転記しましたが、おおむね昨年並みというのが多くの仲間の報告。粘り強い交渉で「年間収入増」につなげるよう頑張りましょう。

中央春闘共闘・連合・日経連発表 賃上げ集計

 ●中央春闘共闘、集計(5/25現在)

■賃上げ回答=647/登録979組合(66.1%)、妥結=353組合(36.1%)

・回答の単純平均=6,758円(2.23%)、昨年同期比△188円(△0.09%)

・回答の加重平均=7,427円(2.22%)、昨年同期比△462円(△0.24%)

■一時金回答(6/8現在)=355/888組合(40.4%)、妥結=171組合(19.3%)

・回答の単純平均=2.40月+α。 821,163円、加重平均=897,404円

 ●連合集計(5/15現在)

■賃上げ妥結792組合

・単純平均=5,071円(1.82%)、昨年比△391円(△0.14%)

・加重平均=6,068円(1.95%)

■一時金(6/5現在)=単純平均=599,040円、加重平均=733,318円

 ●連合愛知集計(4/4現在)

■妥結113組合

・単純平均5,353円(昨年5,701円)、加重=6,236円(同6,421円)

 ●日経連調べ(5/18現在)

■大手企業220社

・単純平均6,297円(2.00%)、昨年比△195円(△0.09%)

・加重平均6,404円(1.97%)、昨年比△475円(△0.17%)

■中小企業310社

・単純平均4,344円(1.68%)、昨年比△268円(△0.11%)

・加重平均4,722円(1.78%)、昨年比△179円(△0.08%)


さ あ 

総選挙!

政治変えなきゃ暮らしも雇用も守れない

必ず投票に行こう!

投票率6割なら自公保3与党の政権維持、7割超えれば自民惨敗

政権交代?!/与党3党が勝てば消費税は10%?

 国会が解散され、昨13日に「公示」がなされて、いよいよ総選挙(25日投票)です。ある新聞が「投票率6割なら自公保3与党の政権維持、7割を超えれば自民党惨敗、政権交代」と書いていましたが、いくつかの調査によると「背広族=サラリーマンの棄権が一番多い」というデータが出ています。悪政に怒りを持っている労働者がこぞって投票に行くことが政治を変え、要求を前進させるカギのように思います。

 全労連が12日に開いた単産・地方代表者会議では、福岡の代表が、「公務の某職場で調べたら、先回の総選挙で投票に行った若者は30%を切っていた。政治を変えなきゃ要求は前進しないというのは多くの労働者の実感だが、組合員は一人残らず投票に行くよう訴え、投票日には労働組合として『投票動員』=投票確認の電話がけをやる」との決意が語られました。みなさんの職場ではどんなとりくみを考えていますか?

 ちなみに、先ほど閉会した第147通常国会で、自自公ないし自公保政権が「数」の暴力で強行した悪法をあげておきます。昨年の第145通常国会で通された悪法と併せて改めて職場に宣伝し、すべての組合員が必ず投票に行くよう訴えましょう。

<第147国会で成立した悪法> (順不同)
@公職選挙法改正  衆議院議院の比例代表の定数をこれまでの200から20削減して180とする。総定数は500から480に減ることに。
A租税特別措置法等改正  16歳未満の扶養控除の特例を廃止し、控除額が子ども一人あたり48万円から38万円に引き下げられる。子どもの数にして1900万人が増税、増税額は2030億円。
B国民年金法等改正  老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢を現行の60歳から65歳に引き上げ、基礎年金・厚生年金の65歳以降の賃金スライドを停止、老齢厚生年金の給付水準を5%引き下げる。現在二十歳の夫婦を想定すると、生涯の年金額が1200万円も削減されることに。
C雇用保険法等改正  失業手当の受給資格者を一般の受給資格者と会社倒産や解雇による受給資格者(特定受給資格者)とに分け、一般受給資格者について、現行で年齢・勤続年数により最長300日となっているものを、年齢に関係なく最長180日と大幅に短縮する。
D労働契約承継法  民法が定める

「労働者本人の同意」を排除して、別会社への転籍を強制する。

E商法改正(会社分割法)  不採算部門の切捨てを容易にしてリストラをすすめられるようにする。
F児童手当法改正  児童手当の支給対象年齢を現行の「3歳未満」から「小学校入学前」までに拡大したが、租税特別措置法を財源とするため、増税対象児童1900万人のうち300万人のみが今回の改正の対象者。
G社会福祉事業法等改正  憲法に定められた社会福祉事業の基本理念から、実施主体としての国・地方公共団体を排除し、責任を地域住民の相互協力や福祉事業経営者に転嫁し、国が負うべき社会的使命を大幅に後退させる。

組合別回答・妥結一覧表NO.7(2000.6.13)

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