NO.3 (2001.5.25) 発行:愛知国民春闘共闘委員会 発行責任者:見崎徳弘 |
|
|
2001年賃金闘争 5月18日現在 |
147組合(60%)に回答 妥結・終結88組合(36%)に |
53組合で昨年の最終回答上回る。5桁=1万円以上も8組合 単純平均:4,090円=昨年並み。/業種間のバラツキ大 |
2001年春闘は、企業収益の回復を背景に4年ぶりに前年を上回るとの当初予測に反し、株価急落とデフレ経済、アメリカ経済の低迷などを口実にした経営側の巻き返しによって、昨年と同水準=「史上最低の賃上げ」に抑え込まれようとしています。トヨタやNTTなど業績好調な大企業でも、「国際競争力」強化をタテにリストラ「合理化」とコストダウン、「総額人件費の抑制」が叫ばれ、ベアゼロや超低額回答があいつぎ(NTTや電力はベアゼロ、絶好調のトヨタでも昨年+100円=ベア600円・定昇込み7,600円)、大企業から中小まで成果・業績主義賃金が拡大しているのが実態です。 愛知春闘共闘に結集する仲間はこのなかでも頑張っています。4月末〜連休明けの追い上げによって、回答引出しが5月18日時点で147/247労組(59.5%)と全体の約6割、妥結・終結も全体の1/3を超える90労組に達しました。なかには「ゼロ回答」も14組合含まれており、新聞・出版・広告の8〜9,000円台から建交労・全港湾の2,000円台まで「業種間落差」も開いていますが、昨年回答を上回ったところも53組合にのぼり、パートを含めた賃金底上げ要求もかつてなく高まっています。なお、現時点での全体の単純平均は、4,090円。昨年の最終値の4,078円をわずかながら上回っています。 * 以下、現時点での県内・全国のデータを紹介します。いずれもほぼ昨年並みです。 |
|
|
春闘後半戦! 最賃や夏期一時金・8月人勧闘争と結合して |
参院選での政治の革新も視野に 要求前進へさらに頑張ろう! |
1.回答引出し・上積みへ、一時金や人勧闘争と結合して頑張ろう! 春闘の回答引き出しはまだ6割、今日なお100組合が未回答で、妥結に至っては37%にも届きません。遅れの要因は当該企業の経営困難の場合もありますが、「経営がきびしく、賃上げどころではない」という思想攻撃や、経営側からの賃金・人員削減提案などの先制攻撃、意図的な回答引き延ばしがネックになっている例も少なくありません。 金融・保険や私学の仲間、大学生協など、「これからが本番」という組合も、さらには人勧が出てから本格交渉になる公務関連職場も残っています。 したがって今後は、夏期一時金闘争や公務員の8月人事院勧告に向けた要求行動を強めると同時に、未解決組合を包み、「賃下げ・合理化提案は許さない」「ベアゼロでは妥結しない」など単産ごとの“歯止め要求”も決めて、要求前進へ粘りづよく頑張りましょう。 また、一方的な交渉打ち切りなど経営者・理事者の不誠実な対応には断固抗議し、場合によっては全体での支援行動も企画してその姿勢を正しましょう(支援が必要な場合、要請を!)。
2.パートを含む賃金の底上げと最賃のたたかいを重視し、団体署名をひろげよう! 私たちは今年、中央の提唱を受けて「賃金の底上げ」や「最低賃金制度の改善」に意識的にとりくみ、「2.21総行動」でもパートの時給引き上げや「時給1,000円」の世論形成に力を尽くす、春闘要求書には職場のパート労働者の要求も加えるなど、意思統一してとりくみました。 @2月の「最賃生活体験」への52名の組合員参加とキャンペーン、A不払い残業根絶とセットでの最賃改善の地方議会請願(名古屋市では「継続審議」に)、B「時給1,000円」要求を掲げた栄噴水前での署名・宣伝行動と労働局要請(4月10日)、C東三河労連などでのパートの時間給調査と最賃違反の是正、D最賃審議会への委員推薦などもこのたたかいの一環でした。 パート・臨時など増大する不安定雇用労働者の劣悪な労働条件の改善は、労働者全体の賃上げや労働条件改善に直結します。職場のパートの労働条件改善に引きつづき力を尽くすと同時に、中央最賃審議会による「目安」額の提示(7月下旬)〜8月上旬の地方最賃審議会答申へ向けて、最賃の大幅引き上げを図るため、6月末までをメドに最賃要求(団体)署名を思い切ってひろげましょう。
3.私たちの要求と運動が厚生労働省を動かした!/「4.6通達」を武器に、「不払い・サービス残業根絶」を徹底しよう! 労働法制の連続改悪や大企業の身勝手なリストラが猛威をふるい、働くものの雇用と権利、いのちと健康が脅かされる毎日がつづいていますが、このなかで、私たちが今春闘の重点に位置づけた「不払い・サービス残業根絶」へ、重要な武器が手に入りました。 これは、裁量労働やフレックス制のひろがりのなかで蔓延している「不払い・サービス残業」の一掃へ向けて厚生労働省が4月6日に出した「通達」のことですが、4月27日には総務省も都道府県や指定都市に「4.6通達」にもとづく労働時間の適正把握を指示しており、官民を問わず活用できます。 財界よりのシンクタンク・社会生産性本部が、「サービス残業をなくせば、今より90万人も多くの雇用が必要になる」という試算をしているのは有名です。「不払い・サービス残業根絶」は、「雇用の拡大・失業者救済」へ向けた連帯行動にもなります。単産や職場で学習し宣伝し、@通達遵守の労使確認、A始業・終業時間の管理者記録、B残業代不支給の点検と支給要求など企業や当局へ直ちに申し入れましょう。
4.「はたらくルール確立」めざす“労働者過半数署名”へ、職場・地域で本格的なとりくみを始めよう! 「4.6通達」活用に加えて重要なのは、「パート労働者などの賃金の底上げ・均等待遇の実現、現行最賃の改善」「企業の一方的解雇を規制する法律制定」「不払い・サービス残業根絶、労働時間短縮」など、“はたらくルール”確立署名の推進です。 全労連や中央春闘共闘は、「連合」とも要求が一致する(注:連合は「雇用・生活危機突破、ワークルール確立」署名を開始している)この署名について、「3年計画で労働者の過半数から署名をあつめよう」と訴えていますが、これは、ILO国際労働基準やEU並みの「労働者保護法制」をわが国に確立するための壮大なたたかいのノロシであり、「人間らしく生き、はたらく」職場や地域をめざす私たちの決意をアピールする示威行動です。 「労働者の過半数」(愛知では150〜160万筆)という目標達成は容易ではなく、見方によっては天文学的な目標ともいえますが、すべての労働者・労働団体が一致してとりくめるこの要求署名でそれくらいの目標が立てられなくては、この間の労働法制の連続改悪や企業の身勝手なリストラ「合理化」=賃金・雇用・権利破壊に対抗することはできません。当面、家族を含めて組合員数の2倍を目標に署名を開始し、秋口からは「労働者過半数」をめざしてすべての労働者・労働組合に協力を訴える「対話・共同」を検討することが求められます。
5.小泉新内閣の異常人気にだまされるな! 問題多い「教育改革」法案や「公務員制度の改革」、倒産・失業を増やす「構造改革」など、マスコミ向けパフォーマンスの陰ですすむ制度改悪に「待った」をかけよう!
|
|
回答・妥結一覧表(2001.5.18) HTML版 ・ Excel版 |
|
←INDEXに戻る |
←愛労連TOPに戻る |