労働者の生活実態の深刻さが明らかに

 

はじめに

 愛労連では、毎年「働くみんなの要求アンケート」にとりくんでいます。これは、2000年春闘にむけて労働者ひとり一人の生活実態、賃金要求、制度要求などを集約し、春闘要求作りの貴重な資料とするためにとりくんでいるものです。

 3月8日現在、29,579名から集約を得ています。このアンケート結果からは、年収の減少、生活は依然と苦しく、雇用不安にさらされており、大幅な賃金引き上げを要求している姿が明らかになっています。こうした生活と労働の実態にもとづく春闘要求の実現めざして、労働者の幅広い団結で大いに奮闘することが求められています。

2000年3月

集計表はこちらです(Excel.97以上)

 

1.回答の概要  

 【全体的な回答の特徴】

・生活が「苦しい」という回答が56.5%に及んでいる。

・賃上げの平均要求額は、35,424円となっている。

・年間収入は、「減った」「変わらない」で62.4%となっている。

・サービス残業が「ある」と答えた人は、44.6%に達する。

・「雇用不安」があるという人は、46.8%に達する。

・身体疲労がある人は、84.9%にも達する。

・政府に対する要求では、「税負担の軽減」が73.5%に及んでいる。

 

2.回答内容

【A性別】

 性別構成は、「男性」60.0%、「女性」39.2%となっている。

【B年齢】

 回答者の年齢構成は、「10代」0.4%、「20代」21.3%、「30代」26.6%、「40代」27.8%、「50代」21.9%,「60代以上」1.3%となっている。推定平均年齢は40.4歳である。

 

【C雇用】

 雇用形態は、「正職員」が93.8%、「パート・臨時」が4.9%、「派遣・委託」が0.2%となっている。

【組合】

 組合加入の有無は、「組合加入」が86.9%、「組合はあるが未加入」が6.7%、「組合なし」が3.2%、「わからない」が1.5%で、組合に入っていないと思われる人が11.3%、2,092人いる。

【質問1−(1)生活実感】

 労働者の生活実感は、「かなり苦しい」19.2%、「やや苦しい」37.3%、と「苦しい」層は56.5%に及んでいる。労働者の生活苦が進行していることを示している。「まあまあ」は36.4%、「ややゆとり」5.6%,「かなりゆとり」1.0%となっている。

【質問1−(2)年間収入の前年比較】

 前年との年収比較は、「増えた」26.8%、「減った」27.3%で、「減った」が「増えた」を0.5ポイント上回った。「変わらない」は35.1%。

【質問1−(3)賃上げ要求額】

 賃上げ要求額は、「3万円」が25.7%と最も多く、ついで「5万円」が20.4%、「2万円」18.6%となっている。推定加重平均は35,424円となっている。

【質問2−(1)サービス残業の有無】

 サービス残業(持ち帰りも含む)は、「日常的にある」18.6%、「たまにある」26.0%、を合わせた「ある」人が、44.6%に達する。「まったくない」人は、21.4%である。

【質問2−(2)雇用不安の有無】

 リストラや倒産などによる雇用不安の有無は、「ある」と答えた人が46.8%と半数に近い。「ない」と答えた人は、26.3%である。

【質問2−(3)身体の疲労感】

 普段の仕事での身体の疲労感は、「とても疲れる」30.7%、「やや疲れる」54.2%で、「疲れる」と答えた人が84.9%に及んでいる。「あまり疲れない」は10.2%、「まったく疲れない」が1.0%で、回答者の8割以上が身体の疲労感を訴えている。

【質問3 政府に対する要求(3つ選択)】

 政府に対する要求は、「消費税など税負担の軽減」が73.5%、「年金・医療・介護の改善」が68.2%、「雇用確保・失業対策」が59.5%の順となっている。

 


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