愛知県議会

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愛知県下各市町村議会

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「全国一律最低賃金制度の確立等を国に要請する意見書」
採択の請願書

※議会によっては陳情書として提出してある場合もあります。

2001年2月21日

 

愛知県労働組合総連合

議 長  阿部 精六


 いま、最低賃金ぎりぎりでの求人が増えています。昨年の10月に発売された就職情報誌には、時間給677円(愛知県の最低賃金の時間額)の募集が載っていました。また、675円という最低賃金に違反する募集広告もありました。同じ情報誌には、「『最低賃金』にご注意ください。」と、日額5,411円、時間額677円の最低賃金についてのお知らせが載っているにもかかわらず、このような状況が生まれています。そして、多く見られる時間給が最低賃金を3円だけ上回っている680円というものです。いまの求人募集での実態はこうしたものになっています。

 財界・日経連は労働者を長期蓄積能力活用型、高度専門能力活用型、雇用柔軟型の3種類に分け、年俸制や時間給労働者を増やそうとしています。とりわけ短時間労働者は増加が激しく、愛知県内では94万人もいます。その多くの人たちは、最低賃金を底にして、平均でも850円という低い賃金で働かざるを得ない状況です。仮に現行の最低賃金で1ヵ月働いたとしても119,042円にしかなりません。ここから租税公課を差し引くと、100,314円にしかなりません。これは20歳から40歳の生活保護基準102,550円(3級地−1の単身者の生活扶助・住宅扶助のみ)よりも低い金額です。

 生活保護は生計費原則が貫かれているのに対し、最低賃金は労働者の生計費、類似の労働者の賃金および事業の支払能力の三つを考慮して決めることになっています。しかし実態は、労働者の生計費は後景に押しやられ、類似の労働者の賃金や事業の支払能力が優先される結果となっています。愛知労働局の「最低賃金に関する基礎調査」によると680円未満の労働者は27,124人もいます。

 低賃金で働く人の賃金・労働条件の改善を図ることは、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保につながり、日本経済の健全な発展にも貢献することになります。

 つきましては、貴議会には下記の陳情事項に記す内容で、地方自治法第99条の規定にもとづく「意見書」を国・関係省庁へご提出していただきたく、ここに請願いたします。

 

【請願事項】

 現行の「最低賃金法」を全面改正し、全国一律の新しい最低賃金制を確立すること。この法制化にあたっては、金額は生計費を基礎に労使の団体交渉を中心に決めるとともに、監督と罰則を厳しくし、これが年金支給額や生活保護基準、下請け単価、米価の労賃などナショナル・ミニマム(すべての生活保障の最低基準)の基軸となることなどを原則とすること。

 愛知県の地域包括最低賃金の格付を現行の「Bランク」から「Aランク」に引き上げること。

 また、地域包括最低賃金は、法律どおり月額表示をすることとし、月額17万円に引き上げること。日額8000円、時間額1000円とすること。

 最低賃金は、本来最低生計費であり、非課税とすること。また、課税最低限度額は、180万円以上に引き上げること。

 以上について、国および関係省庁へ「意見書」を提出すること。

 

以上


 ▼国および関係省庁への意見書サンプル

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