愛知地方最低賃金審議会 会長 殿

愛知県最低賃金の改正決定についての意見書

2001年5月28日

 

愛知県労働組合総連合

議 長  阿部 精六


 日頃の貴職のご活躍に対し敬意を表します。

 私ども愛知県労働組合総連合は、「愛知県最低賃金の改正決定に係る関係労働者及び関係使用者の意見聴取に関する公示」に基づき、以下の点について意見を述べさせていただきます。

 賃金の低廉な労働者についての実態を正確につかんで、その低賃金を積極的に引き上げることが必要です。言うまでもなく、最低賃金を積極的に引き上げることは、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保につながり、日本経済の健全な発展にも貢献することになります。

 愛労連が2月1日〜28日にかけて取り組んだ「最賃・標準生計費生活体験」に、52名の組合員がチャレンジしましたが、家計簿集計が提出された35人の平均では最低賃金または標準生計費を24,804円もオーバーしました。この生活体験の金額は、最賃の場合、日額の5,411円で22日の勤務と仮定し119,042円、そこから税金・社会保険料の18,728円を差し引いた100,314円です(介護保険料については無視)。標準生計費は国の標準生計費である110,620円です。そして、一般ローン(自動車、電気製品、耐久消費財など)は支出に加えない、住宅ローン・家賃は12,280円(名古屋市内の標準生計費による住居関係費)とし、高額商品の購入や車検は加えないが日記に記録しておく、などによって生活費を求めました。それでも24,804円足りなかったのです。実際は家賃が6万円という人がいましたが、その人で言えば約7万2千円不足するということになります。チャレンジした人達は何とか最低賃金以内で生活しようと努力してもこういう結果です。いかに最低賃金が生活実態と離れた金額かということだと思います。

 こうした点も含め、以下の点を要請します。

 

1.愛知県最低賃金を日額8,000円、時間額1,000円とする。

2.愛知県の最低賃金のランクを現行のBランクからAランクに引き上げる。

3.最低賃金審議会での愛労連代表2名の意見陳述の場を設ける。

 

 なお、資料として「最低賃金・標準生計費生活体験 私の家計簿&体験総括」を添付します。

 

以上

 

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